ミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』備忘録

ネタバレしかない、岩本照くん主演のミュージカル「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」の場面ごとの感想も兼ねたまとめです。
(本当はツアーのまとめとか歌舞伎のまとめをやろうと思っていたのに伸ばし伸ばしになっていてここまで来てしまったw)
これから観劇予定でネタバレNG!な人は読まないでね。映画は観てますが、ミュージカルとしてのこの作品は初見。


シーンタイトルと楽曲はパンフレット参照。
楽曲の斜体になっている部分は原曲のタイトルです。
今回振付を担当されたお二方の名前も載せています(敬称略)


◆一幕◆
プロローグ
アバグネイル家の居間/ニューロシェル
ニューロシェル高校
アバグネイル家が住むアパート/ニューロシェル
家庭裁判所と鉄道駅/ニューロシェル
チェース銀行/マンハッタン
テューダー・ホテルの外/マンハッタン+上空
プラザホテル/マンハッタン
FBIの訓練場にある射撃場/バージニア州クワンティコ
ラテンクォーター/ニューヨーク市
アイドルワイルド空港のモーテル、135室
ロサンゼルスのモーテル
FBIのビルと公衆電話

◆二幕◆
FBIのビル/ワシントン
リバーベンド・アパート+アトランタ総合病院/アトランタ
バーンズ家+バー/ニューロシェル
フランク・ジュニアの寝室
アトランタ総合病院の廊下
ストロング家/ニューオリンズ
バー/ニューロシェル
ブレンダの寝室/ニューオリンズ
マイアミ国際空港


◆一幕◆

プロローグ
ロングコートに深くかぶったハット。新聞を読みながらベンチに腰掛けているのがフランク。
一幕の冒頭は終盤のシーン(フランクがカールに逮捕されるシーン)の再現なので実はブレンダも上手の階段の上にいるんだけど、気にしておかないと気付かないかも。一幕ではブレンダはこの一瞬しか出てきません。

カールに「これは小説でも映画でもミュージカルでもないんだ」と言われ、フランクは「ミュージカル…?ミュージカルだ!!(指を鳴らして)スポットライト!」と笑顔で叫ぶ。「スポットライト」の台詞が終盤の楽曲の歌詞とリンクしているので地味にポイント。

Live in Living Color(Live in Living Color)/藤林美沙、大澄賢也
「僕の人生見せてあげるよ」とフランクが歌い上げて始まるキャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンの世界。バク転を披露するのはこのナンバー。
「(父親のお金を騙し取ったのは)女の子が好きだから!」って悪びれもせず言い放って、取り囲む美女たちにデレデレしたり、中盤で登場するシェリル・アンにビンタされて「いた~い!!」って顔歪めてるのも可愛いです。
フランクは16歳*1の設定なので終始表情が幼くて可愛い。可愛い以外の語彙が見つからない。

楽曲を聴けばわかるのですが、Live in Living Colorはものすごく難易度の高い歌だと思う。そもそもキーが高くて音が行ったり来たりする上に、後半はハイトーンの連続。これを踊りながら、しかも最初にこの曲を歌うってものすごくハードルが高いと思うので、本当に大変だっただろうな~…と思いました。


アバグネイル家の居間/ニューロシェル
一見幸せそうに見えて、でも離れ離れになる未来がすぐそこまで迫っている家族の場面。父の事業が失敗し融資も受けられず、仕方なしにキャデラックと引き換えに持って帰ってきたカラーテレビ。それを見てわくわくした表情を見せるフランク。テレビに向かって無邪気に手を振ってるのが本当に可愛い。
居間で踊る両親を見ながらテレビに腕を乗せて見ているフランクの表情が本当に幸せそうで、この後の展開を思うと切なくなるシーン。
全編通して出てくる「二匹の鼠の話」はこの場面で語られます。

ピンストライプに釘付け(The Pinstripes Are All That They See)/大澄賢也
フランクが「誰よりも賢い父」と紹介するフランク・シニアの楽曲。
「人は肩書が大事」というようなことを歌ってるんだけど、だからフランクはパイロットになったり医者になったりするんだよね。
フランク・シニア役の岸さん本当に歌が上手い!!!深みのある歌声に魅了されます。
ヤンキースのピンストライプユニフォームに身を包んだアンサンブルも登場。
パパが学生証を投げてフランクがキャッチする振りがあるんだけど毎回スピードが早すぎてびっくりするのでそこも個人的な見どころ。素振りするフランクも可愛いです。


ニューロシェル高校
今までのような生活が続けられず、引っ越しをするアバグネイル家。でも元の生活に戻れると信じているフランクが無邪気で切ないです。
転校先の高校で教師に間違われたのをきっかけにいたずらを思いつき、フランクは代理教師になりすます。講義をして宿題を出し、保護者会も開催、フレンチフライ工場への遠足も計画して…とやることが大胆すぎる!16歳のフランクの表情と、教師になりすましている時の表情と声の変化にも注目してほしい場面。
校長に呼び出される両親。パパが校長にネックレスをプレゼントして丸め込むんだけど、後のシーンで出てくるのでここもポイント。
ママには叱られてしょんぼりするけど(口がへの字になってるのが本当に可愛い)、パパにも怒られると思っていたらフレンチフライ工場をチョイスしたセンスを褒められ「でしょ!?」って一気に嬉しそうな顔になる。

ピンストライプに釘付け(The Pinstripes Are All That They See)/大澄賢也
ここからフランク・ジュニアとフランク・シニアのデュエット。
俺たちは無敵!感があってかっこいいです。
岸さんの歌声に引っ張られてひかるくんの歌もどんどん良くなってる印象。
歌ってる時のフランクの表情を見ていると、パパのことを信頼していて本当に大好きなんだなということがわかります。

その後早退届を出しにきたベティと出会い、頬にキスされるフランク。
嬉しそうに頬を押さえながらピンストライプに釘付けをソロでワンフレーズ歌います。


アバグネイル家が住むアパート/ニューロシェル
帰宅し、ベティにキスされたことをママに報告しようとするフランク。
この時の表情が本当に可愛い!両手をぎゅって握って(これは日によるかも)そわそわしてる仕草がものすごく少年。
でもそんなママは父の友人でもあるジャック・バーンズと不倫していて、それを目撃してしまい、有頂天から一気に絶望の淵に突き落とされる。「父さんには言わないわよね?」と問われて俯きながら「言わない…」と返すフランクが本当に辛そう。ママにはママの言い分があるんだろうけど、そんな心情をぶつけられても両親のことが大好きな16歳には耐えられないよね…。そしてお小遣いを渡され出かけてしまうママ。。

誰かの顔して(Someone Else's Skin)/藤林美沙
出だしが「ここにはない電話ボックス」「僕はヒーローになれない」という歌詞なんだけど、スーパーマンが電話ボックスで変身するからなんですね。(最初違う解釈をしていたので教えてくれたお友達ありがとう!)
伴奏も相まって孤独に苛まれるフランクが見てとれます。


家庭裁判所と鉄道駅
理由も知らされずに校長に呼び出されたフランクが裁判所に連れられて行くと、両親が離婚する話が進んでいてどちらにつくか迫られる。
それが嫌になって逃げ出し、駅へ行き、切符売りを口八丁で騙してもうここには戻らないと片道切符を手に入れる。フランクが劇中で初めてお金を騙し取るシーン。

誰かの顔して(Someone Else's Skin)/藤林美沙
追い詰められたフランクが「誰かの顔をして」新しい人生を生きようと心に決めた心情を歌ったナンバー。裁判所・家・駅と場面が目まぐるしく変わり、服を着替え、ただのフランク・ウィリアム・アバグネイル、ジュニアから「誰か」になっていく。

スポンサーからのお知らせ/藤林美沙
フランクが偽造身分証の作り方を紹介するシーン。
インクとナイフとのりに扮したアンサンブルが登場。衣装がディズニーっぽくてすごく可愛い!!私はインクちゃんがお気に入りです。
アンサンブルの歌唱があって、初日二日目と拍手が起きなかったので、3日目からひかるくんが歌唱終わりに拍手して促してました。4日目は自然と拍手が起こったので拍手はしなくなってたけど促すのも可愛かったからそれはそれで見たい!


チェース銀行/マンハッタン
高額小切手は支店長の承認がないと換金できないと断られるんだけど、ここで過去にパパが校長を丸め込んだ時に使っていたやり方(ネックレスを渡して丸め込む)でごり押しするフランク。特別に換金させてくれます。ちょろくないか???

Live in Living Color (Reprise)
ワンフレーズ歌ってFBIのシーンへ。ひかるくんはここまで出ずっぱり!!
本当に出番が多いし台詞も膨大です。

季節はクリスマス。
フランクの偽造の手口と、複数人いると思っていた詐欺師が実は一人だったと気付くカール。この時点ではその詐欺師がどんな人物なのかはまだわからない。


テューダー・ホテルの外/マンハッタン+上空
カールと入れ替わりでフランクが登場。テューダー・ホテル前で運命の出会いが。
セクシーすぎるCA達にわざとぶつかられて翻弄されるフランクが可愛いw
とっさに訓練生と嘘をつき、パンナムではパイロット募集してますか?と尋ねると「可愛い」って気に入られて人事部を紹介してもらえるフランク。超モテモテ!!
シンディ役の方の名刺の出し方がセクシー!!!
CA達にそれぞれちゃんと名前があって、フランクが指を指しながら一人ずつ紹介してくれるのが親切。劇中ではCA達のことを「スチュワーデス」と紹介するんだけどこれは時代かな?

ジェット・セット(Jet Set)/藤林美沙
フランクがパイロットになるまでを描いたナンバー。
イントロに飛行機の音が入ってるのがめちゃくちゃ良くて、イントロだけで絶対この曲楽しい!!!って思うはず。
CA達に入れ代わり立ち代わりで絡まれ、フランクもフランクで足を覗き込んだりする。
アンサンブルの歌唱にあわせて新聞記者に扮するためにステージ上で早替え。このときの衣装がすごく可愛い!丸眼鏡も似合ってます。
本物のパイロットに取材に行き、パイロットについて聞き出すフランク。パイロットがよく言うという「今週はずっと同じ装備で疲れたまま水溜まりをジャンプさ(合ってる?)」というフレーズの意味を聞き出します。(後で出てくる)
この時社員証の情報を手に入れ、社員証を偽造してパイロットになりすまします。
そのままの衣装でCA達とダンス。これも表情がほんとに可愛い!!

その後制服を作りに行くんだけど、この時従業員番号を聞かれて適当な番号を挙げるんだけど日替わりポイントでした。
数字を指で数えてるのが可愛い。

ここで一旦捌けて、キラキラのパイロットの衣装に身を包んで上段に再登場。
ラインダンスを披露するのはここ。WSでも流れたので映像を見た方が多いと思うけど、ほんっとうにラインダンスが綺麗!!!!足を上げる高さも角度もアンサンブルの方達とぴったり揃っていて、ひかるくんのダンススキルと体幹の強さを実感できます。
その後階段の最上段にあがって、ジャケットを脱ぎ、片足を上げたCAの足先にパイロットの帽子を引っかける。このキメもすっごくかっこいいんだけど、個人的に注目してほしいのはこの後の暗転してるところで、CAを起こしてあげて、脱いだジャケットを肩にかけてあげるフランクが超優しくてかっこいい!
ぜひ明るさ(高)の双眼鏡で見てください。


プラザホテル/マンハッタン
プレイボーイのカバーガールであるシェリル・アン(スリップに毛皮のコート羽織っただけ)との出会いのシーン。サインを頼もうとしたら誘惑される。
この時のフランクが超!デレデレで!!!!そりゃ~16歳男子の目の前にセクシーな美女が現われて色仕掛けされたらそうなるよね。声のトーンが高くなって少年ぽさが出ててとても良い。
ちなみにシェリル・アンとの一晩は1,000ドルらしい。この時1,400ドルの偽造した小切手を渡し、400ドルのお釣りをもらうので結果的にお金を騙し取ったことになるフランク。(だから冒頭のシーンでシェリル・アンにビンタされてるw)
ラッキー!って顔でお金を受け取り、消えていく二人。


FBIの訓練場にある射撃場/バージニア州クワンティコ
射撃場で射撃の練習をするカールたち。

Don’t Break The Rules(Don't Break the Rules)/大澄賢也
カールの見せ場のナンバー。
FBIに扮したアンサンブル達と踊るんだけど吉田栄作さんが渋くてめちゃくちゃかっこいいです!!!
かっこよすぎてひかるくんにも踊ってほしいって心底思った!!!たぶんひかるくんが出たいって言ってたシーンの中にこの曲も入ってるんじゃないかな?笑

空港でCAとすれ違い、以前取材した時に教えてもらった「今週はずっと同じ装備で疲れたまま水溜まりをジャンプさ」というフレーズを使う。抜け目がない。
フライト前にミルクが飲みたいって言うところが「誰かになりすまして」大人として振舞ってはいるけど、要所要所でフランクの子供らしさを感じられて可愛いです。


ラテンクォーター/ニューヨーク市
ラテンクォーター・ピンストライプ(The Pinstripes Are All That They See (Reprise))/藤林美沙
アンサンブル3人の歌唱で始まる、高級レストランでのフランクとフランク・シニアのシーン。
パイロットになりすまし、偽造した小切手を換金しまくって手に入れたお金を父親に渡すフランク。でもパパは受け取らない。お金があってもパパはもう昔には戻れないことがわかっていて、でもフランクはお金さえあれば戻れると信じてる。大人と子供の見てる世界の違いが垣間見えるシーンだなと思いました。

ミルクからバター(Butter Outta Cream)/藤林美沙
フランクとフランク・シニアのデュエット(2曲目)
パパが日頃からよく話していた二匹の鼠の話を歌ったナンバーです。
一番はフランクのソロ。この時のフランクの仕草も表情も本っっっ当に可愛いから絶対見逃さないでほしい。ひかるくんならではの歌詞に合わせたジェスチャーがたくさん見れます。
「溺れ死ぬ」で溺れてるような声になったり、「バターの神様」で一気に声を太くしたり歌唱の表現の幅も楽しめます。
一番を歌い終わって「ほら父さんも!」って促したり、その後も曲中にちょこちょこ会話が挟まれるんだけど、声が高くてずっと幼い表情をしてて、大好きなパパの前では年相応の息子でしかなくて愛しさで爆発する。
二番はパパのソロ。歌詞がアレなので(聴くか歌詞見ればわかる)歌を聞きながら顔をしかめたりするのが可愛い。
あとねずみに扮したアンサンブル(衣装がセクシー)も登場するので見どころが満載です。
最後の「作るミルクからバター」のフレーズでバターを切ってパパの口にえいって投げたり、ハグしたり、終始フランクの「パパ大好き!!」が伝わってくるから本当に可愛い保護したい。


アイドルワイルド空港のモーテル、135室
フランクが泊まっていたホテルの部屋を調べるFBIのシーン。
ザ・フラッシュ(漫画)、ピーナッツバターなど子供っぽいものが散らばっていて、詐欺師には子供がいるのか?と疑問を抱くカール。カールのソロ「あの男の手がかり(The Man inside the Clues」では仕事を優先して家族を捨てることになってしまったカールの過去も語られます。


ロサンゼルスのモーテル
フランクが滞在していたモーテルにFBIが乗り込み、フランクとカールが初めて顔を合わせるシーン。上手側のベッドでフランクがタンクトップとトランクスで寝てるんだけど(この時の格好も日によって違う)、FBIに気付いて一旦服を持って捌けます。
その後シークレットサービスに扮して登場。
黒スーツに黒サングラス、黒いハットを目深にかぶっていて超かっこいい!!!スタイルがいいのでこういう衣装が本当に似合う!!
パパと歌った「ミルクからバター」ではすごく子供らしかったのに、このシーンではシークレットサービスになりすましているので声のトーンが全然違っていて、別人になりきっているのがわかります。
ここで名乗る名前がバリー・アレンなのだけど、ザ・フラッシュの主人公の正体なんですよね。カールはそれを知らなくて騙されるんだけど、ここでも「子供であること」が示唆されています。

ちなみにこのシーンではFBIの仲間へのご褒美として挙げられるアイスのメーカーがカール(というか吉田栄作さん)のアドリブなので、毎回楽しみなポイント。


FBIのビルと公衆電話
夢のクリスマス・イブ/藤林美沙
CA姿のアンサンブルがリース持って歌唱。短いけどクリスマスの多幸感を感じる一曲。

一番好きな日(My Favorite Time of Year
本当は家族と一緒にいるはずのクリスマスなのに今は一人ぼっちで寂しくて、フランクはカールに電話をかける。
フランクのパパとママも一緒に歌う「あの家には戻れない なくした愛に満ちた人生」というフレーズがフランクの孤独をより際立たせてると思う。
カールに「話し相手がほしくて電話かけてきたんだろ」って図星を突かれて「もう行くよ」って切ろうとするんだけど、呼び止められて「…まだいるよ」って呟くフランクの心情を思うと毎回泣いてしまう。

ただのお尋ね者とそれを追う捜査官という関係だったのが「二人の寂しい大人と子供」の関係に変化する大事なシーンでもあると思うんだけど、このシーンでひかるくんが表現するフランクの表情も仕草も背中も、全部が寂しそうな子供でしかないので本当にすごいなと思う。

この曲の最後のフレーズ「クリスマスが一番好きな日」のフランクとカールのハモリが本当に綺麗です。

◆二幕◆

FBIのビル/ワシントン
クリスマスの日の電話でフランクが子供だとわかり、10代の家出人と行方不明者とその家族を探せと仲間に指示するカール。FBIでのシーンだけど、客席に背中を向けてしゃがみ、彼らに紛れて資料を眺めているフランクもいます。格子柄のスーツにハットをかぶっていてかっこいい!


リバーベンド・アパート+アトランタ総合病院/アトランタ
足がつきそうになりしばらくはひっそりと暮らそうと決意するフランク。
リバーベンド・アパートは医者やナースしかいないアパート、なんだけど見るからにパリピぱっかりで、パーティの様子を伺ってる感じがそういう世界に慣れてなくて怖いんだろうなという印象を受けます。
「目立たないよう気をつけて嘘もなし!」って言ってたのに実は医者なんですと嘘をつくフランクw言ったそばから!!!w 医者の一人に気に入られて口を利いてもらいます。

ドクターの言いなり(Doctor's Orders)/藤林美沙
セクシーすぎるナースがいっぱい出てくる。
「身体が疼くの」だの「私を“チェック”して」だの「あなたの注射で私を満たしてほしいの」だの歌詞が過激すぎてとんでもない病院すぎん?そりゃこんなナース達の中にいたらブレンダはただの天使だよ…
「医者になりすます」というシーンでもあるので舞台上で白衣に着替えるんだけど、ナースに絡みつかれながら上着を脱がされ白衣を着せられたり、とにかくフランクがひたすら色仕掛けされまくるw 絡みがまたえっちです。フランクもフランクでナース達を値踏みするみたいな目で見てるし。車椅子に乗ったナースとの絡みが個人的に一番良かった。ストレッチャーに寝かされてナースに膝枕されるし手握られるしでとにかく刺激が強い!


余談ですが昔の滝沢歌舞伎(滝沢くんが主演だった時)では女性ダンサーが出演されていて、「いつか」でひかるくん以外の5人は一瞬だけど女性ダンサーとの絡みがあってそれが私はずっと羨ましくて!一生擦ってたんだけど、今回一幕でも二幕でも女性アンサンブルとこれでもかと絡んでいるので8年(自分で言ってて衝撃年数w)待った甲斐があったわ~!という気持ちです。スタイルがいいからそういうやりとりがまた映えるんだよね。もっと見たい。


このシーンでブレンダが登場。
ブレンダは一人だけ膝丈のナース服なので(それ以外はミニスカ)それがまた清楚感を引き立てていて可愛い。そりゃ運命の人!ってなるよ。
フランクがいつかテレビドラマで見た医者の会話を再現して乗り切ろうとするんだけど、この時のポーズが日替わり?っぽいので注目ポイント(壇上のアンサンブルの方がやったポーズを真似するそうですw)

フランクは血を見るのが無理、という設定なので献血のパックですらえづく。
「吐きそうになってるひかるくん」て何かしらの映像で見たことある人も多いと思いますが、まさにあんな感じw舞台だからもっと誇張されてるかも笑

ブレンダは仕事熱心なので全然取り合ってくれなくて、でも気に入られたくて色々話しかけるフランクが超可愛いです!無邪気な子供感が出てる。 キスも迫る。

ミートスライサーで指を切った患者が運ばれてくるんだけど、この時の手のかたちがすのキュンポーズに見えるからかフランクもずっと指をそれにしてて、最後は客席に向かってちゅっとして捌けます。この一瞬だけフランクじゃなくてひかるくんに戻ってるよね笑

Live in Living Color (Reprise)
「世界が色づく 彼女が僕に色をくれた」と歌うフランク。
フランクにとってブレンダが大事な存在になったことがわかる瞬間だなと思う。


バーンズ家+バー/ニューロシェル
カールがポーラを訪ね、フランクが詐欺をしていることを伝え、居場所を探そうと聞き出すシーン。

忘れないで この愛を(Don't Be a Stranger)/大澄賢也
ポーラ役の春野寿美礼さんの見せ場です。
本当に歌が上手いしダンスが優雅!!さすが元宝塚トップスターの方だなと思います。
ポーラはフランクの母親というよりも「女」なので、カールがファムファタルと称するのもわかる。
後半はフランク・シニアとのデュエット。お二人とも歌が上手すぎて聴き惚れてしまいます。

場面は変わり、バーで飲んだくれているフランク・シニアのもとに行くカール。カールは息子を自首させるべきだと迫るけれど、取り合わないパパ。

男になれ(Little Boy Be a Man
フランク・シニアとカールのデュエット。
「あのクソ父親みたいになるな」という歌詞が印象的です。
二人とも寂しい父親なんですよね…。メロディは明るいのに、どこか寂しさと言うかもの悲しさがある歌だなと思いました。

パパは最初フランクから送られてきた手紙には住所は書いてないと言うんだけど実際は書いてあって(酔い潰れてる隙に盗み見る)、パパなりに息子を守ろうとしていた姿が伺えます。


フランク・ジュニアの寝室
フランクとブレンダのベッドのシーン。
自分が生きてる間に自担のこんなシーンが生で見れるとは思わなかったその①。
もちろん映画にもこのシーンはあるのでどうなるのかな~と思っていたら割とそのまんま。フランクは下に白のハーフパンツのみ、ブレンダはバスタオルを巻いてる感じといえば伝わるかな?途中でフランクがシーツを肩にかけてくれます。優しい!
映画では割と生々しいブレンダの過去が語られるんだけど、映画は心の準備ができてなくて…という設定になってました。
「たくさんの女性と恋愛してきたのに、何で私なの?」って問いかけるブレンダが可愛いし、「この世界の全てが君を見つけ出すためのただのおまけ」って言い切っちゃうフランクも可愛い。本当にブレンダのこと好きなんだねよかったね…という気持ちになります。

世界の七不思議Seven Wonders
フランクとブレンダのデュエット。
大好きな両親の離婚をきっかけに「自分」ではない誰かになりすまし、お金さえあればきっと元に戻れると信じて詐欺をして生きてきたフランクがようやく君の隣に居場所を見つけた、という気持ちを歌い上げる大事なシーン。

まず楽曲がめちゃくちゃ良いです。ホールニューワールドみたい。ベッドも魔法の絨毯に見立ててるのかな?と思いました。
ホールニューワールドはアラジンが籠の鳥だったジャスミンを連れ出して魔法の絨毯に乗せ空を飛びながら「二人で新しい世界を観に行こう」と歌う楽曲ですが、世界の七不思議は「世界中を旅して色んなものを見てきたけど、それももう終わり。僕の居場所は君の隣だよ」と気持ちを伝える楽曲になってます。
原曲は“now I know that home is where you are”という歌詞なんだけどこちらもすごく良くて、フランクの心情を思うと泣ける。。

世界遺産の名前がたくさん出てくる歌詞も面白くて好き!
「ナイアガラはただのシャワー」だの「ピラミッドはしょぼい煉瓦積んだだけ」だの、数々の世界遺産を挙げながらどれもくだらないと歌うフランク。この時のひかるくんの世界遺産ジェスチャーが本当に可愛いから見てほしい(みんな見てるよ)。
手だけじゃなくて枕だったりシーツだったり、その場にあるものを全て小道具として使って、こちらにも二人が見てる景色が見えるように表現してくれるひかるくんの引き出しの多さが本当にすごい。しかも毎公演違うんだよね~すごいという言葉しか出てこない。

フランクとブレンダが終始いちゃいちゃしてて可愛いです。ブレンダの前だとただの少年になるフランクが見れます。
曲終わりで2回キスしていて、 1回目は軽く、2回目は13日以降*2はフランクが膝立ちになって上からだったので演出としてこれで固定なのかも。
キスシーンばかり取り上げられるけど(もちろん自分が生きてる間に自担のこんなシーンが生で見れるとは思わなかったその②なのは事実)、大事なのはそこではなくて。
ようやく居場所を見つけたフランクの安堵感が感じられるし、純粋で綺麗なシーンだなと思います。


アトランタ総合病院の廊下
フランクがブレンダといちゃいちゃしてる間にすぐそこまで迫っているFBI。
フランクとブレンダが逃げたことを知り、追いかけます。


ストロング家/ニューオリンズ
ブレンダとの結婚を許してもらうためにストロング家に行くフランク。
ブレンダママの距離感にたじたじになってるのが可愛いw
ブレンダパパに色々質問されて、嘘ついてはぐらかして焦って追い詰められて切り抜けて…ってしてる時の表情がめちゃくちゃ良いです。
ブレンダ一家はルーテル教の信者で、フランクはどうなの?と尋ねられ当然嘘をつく。じゃないと結婚を認めてもらえないもんね…。
お祈りをお願いするよと無茶ぶりされ、二匹の鼠の話を咄嗟にするんだけど、初日は普通にやってたのに2日目以降はカタコトの日本語で台詞を言うから客席から堪えきれない笑い声がww
打ち合わせ済みだったのかどうかはわからないけど、本当にアドリブだったとしたらブレンダ一家を演じられてる方々の精神強靭すぎない???と思ったw

ファミリー・ツリーFamily Tree)/藤林美沙
明るくて楽しいナンバー。フランクがストロング一家に迎え入れられる様子が描かれます。
ダンスがすっごく可愛い!ブレンダママをエスコートしたり、ブレンダとペアダンスしたり、さらっと踊ってるだけなのにひかるくんのダンスの上手さがすごくよくわかる。
曲中でブレンダに跪いてプロポーズ!!!(自分が生きてる間に自担のこんなシーンが生で見れるとは思わなかったその③)
跪いてプロポーズってなかなか見れないからね…舞台ならではの演出だと思うから嬉しい!
あと階段に上がってブレンダと寄り添うところがあるんだけど、左手でさっと手すりを掴んで落ちないようにしてるのがすごくひかるくんだし、最後にブレンダをリフトするところ(自分が生きてる間に自担のこんなシーンが生で見れるとは思わなかったその④)の一連の動作もすごくひかるくんだなと思いました。

このシーンを通して特に印象的なのがひかるくんの足の使い方。ブレンダパパに胸倉をつかまれて迫られてる時に片足を曲げたり、ブレンダへのプロポーズが成功してハグした時は片足をぴょこって前に上げてたり、とにかく足での感情表現が豊富!そういうところも見逃せないポイントです。

フランクがずっと追い求めていた幸せな家族ってこういうことだったんだ、ということがわかるシーンなんだけど、世界の七不思議とこのファミリー・ツリーがフランクにとっての幸せな光景なだけに、のちの展開を思うと切なくなっちゃう。


バー/ニューロシェル
パパに結婚することを報告しに行くシーン。かっこよかったパパが落ちぶれてしまっていて見ているこちらも悲しいのと、母親が再婚したことを告げられて涙声になるフランクの気持ちを思うとつらい。パパに自分を止めてほしかったのに背中を押されてしまい、逃げ場がなくなっちゃったね。。。

その後フランクはカールに電話をかけるのだけど、父親が自分を止めてくれなかったから、唯一「本当の自分を知ってる大人」であるカールに助けを求めたんだろうなと思いました。


ブレンダの寝室/ニューオリンズ
ブレンダに本当のことを告げ、フランクは婚約パーティの日に逃げ出す。
最初は新郎姿で出てくるんだけどそれが似合ってて本当にかっこいです。
別れ際にブレンダの額にするキスがまた切ない。

Fly, Fly Away(Fly, Fly Away)/藤林美沙
「フランクにまた会えるのを待ち続ける」というブレンダの気持ちを歌ったナンバー。
切なくて良い曲です。横山由依ちゃんの歌声が透き通っていて本当にきれい。
コーラスで登場するアンサンブルの方々の衣装も可愛いので注目。


マイアミ国際空港
フランクがカールに追いつめられ逮捕される最後のシーンです。
Goodbye(Goodbye
歌詞に「消してよ僕のスポットライト」というフレーズがあって、プロローグでスポットライトを求めたフランクが、もうショーは終わりと告げる。始まりと終わりがリンクしていて上手いなと思いました。

この曲も難しかっただろうな~!
音域としてはLive in Living Colorよりもひかるくんに合っていると思うのだけど、ここまで仕上げるのは本当に大変だっただろうと思います。
最後のロングトーンは圧巻だし、歌い切った後のひかるくんの表情が本当に良い。
指揮の上垣さんのブログにも書かれていましたが、「初日はゴールじゃない」というのは本当にその通りだと思っていて、この歌を含めてひかるくんの歌が公演を重ねるごとにどんどん良くなっているのをこちらも感じるので、千秋楽までにどう進化しているのかが本当に楽しみ。

カールに父が死んだことを告げられ、信じたくないフランクが感情を爆発させるんだけど、その芝居がまた良くて。「ただ父さんに元気になってほしかった」って涙ながらに言うのもすごく良いです。

「終わらせ方を知らない」とか「どう終わらせればいい?」って言うのが本当に子供なんだよね。自分で始めたことなのに、どう幕引きをしたらいいのかわからない。
「フランクが子供であること」は色んなシーンでこちら側に提示されるのだけど、ひかるくんのフランクはその「子供らしさ」がより伝わってきたと思うし、ひかるくんのお芝居が本当に好きだなあ…としみじみ思ってしまいました。

いつまでも二人で(嘘みたいな話)(Stuck Together (Strange But True))/大澄賢也
フランクとカールが手錠で繋がれたまま歌うラストナンバーです。
両手に手錠をかけられるのかと思ったら、片方を自分の手首にかけるカール。
ここで両手にかけられていたらカールにも見捨てられたって思っただろうけど違って。「僕を見捨てないでいてくれてありがとう」とカールに抱きつくフランクが可哀想で可愛い。

奇妙な縁で出会った二人が親友(というかブロマンスっぽいよね)になっていく様子が描かれているのだけど、カールの袖に顔押し付けて涙拭こうとするフランクが超可愛い!!!(でもすぐ怒られる)フランクが自由に動くので待て待て…!って慌てるカールがずっと振り回されてるな~と思うし、二人の関係性がわかる曲だなと思いました。
歌の最後にカールが「作るミルクからバター」とミルクからバターのフレーズを歌うんだけど、一幕ではパパが歌ったパートなんですよね。二幕の最後で、フランクを救ってくれたカールが歌うことで、フランクはようやく解放されたのかなと思いました。
「誰か」ではなく、自分だけの人生だけを生きていけるようになったフランクの表情がとても清々しくて良かった!


舞台そのものの感想というか総括はまた改めてやりたいなーと思ってはいるけど、とりあえずのまとめはこれで終わり。
本当に素晴らしい舞台でした!


ひかるくんの初主演ミュージカルがこの作品で本当に本当に幸せ!!

*1:この時フランクは21歳じゃないですか?ってコメントいただいたので確かに…と思ったのですが、逃げる前にブレンダに「2年前16歳だった僕は~」と言っていて、その直後だからプロローグの冒頭は18歳?映画だと空港ではそのまま逃げて、最終的に逮捕されるのが20歳だったと思うのだけどどういう時間の経過をしているのかが正直謎ですw

*2:13昼はブレンダを腕の中に閉じ込め+膝立ちになってキス、の演出でそれまでと全然違って!?!?ってなったのですが、夜は閉じ込めなしの膝立ちのみ